三井住友信託銀行株式会社

ベストが何かを思考し提案し導くことが建築コンサルタントの仕事

SMTB

写真左:井上正信さん、写真右:宮西良太さん

三井住友信託銀行株式会社
井上正信さん、宮西良太さん

2年半に亘る長期プロジェクトになりましたが、CM(コンストラクション・マネジメント)サービスを提供する立場で、初めて当社の考える新社屋像を聞いた時はどの様に感じましたか?

【井上さん】
関係の皆さまに初めてお会いしたのはコロナ禍最中の2021年上旬でした。当社大分支店がセッティングしたWEB会議で建築コンサル業務のご紹介を行いました。
当時、我々は非対面でのWEB会議は手探りでしたが、オーイーシー様は流石にIT企業として意に介さず、加藤社長にもご出席いただきオーイーシー様の本社ビル建設に対する熱い思いを画面越しに感じました。
そこで、直ぐに大分支店長(当時、大野)を通じて対面での面談をお願いし、行動制限下ではありましたが津行理事(当時、専務)と清家部長に面談いただきました。新社屋に対する考え方や、当時進んでいた子会社との合併によるシナジー効果への期待などについて、対話する中でお二人の「こうしたい」という明確な思いをより具体的に理解することが出来ました。
大分-大阪という距離感はありましたが、「面白い仕事になりそうだ!」という直感がありました。

当時、私たちのイメージする新社屋像を具体化して、プロポーザルコンペ開催と設計施工者を選定する過程は大変だったのではありませんか?

【井上さん】
いいえ、意外かもしれませんがそれほど難しくはなかったです。
現社屋受付付近のドローン展示や地球環境配慮パネル、また、ホームページを拝見したことでわかったITトップランナーとしての企業イメージや健康経営優良法人の認定に見られる社員への思いやり等を鑑み、初めて面談した直後には頭の中で新社屋イメージの8割程度は構築出来ていたように記憶しています。
イメージの残り2割については、プロポーザルで選定した梅林建設/山下設計JVからご提案いただいた、エントランスに設けられたOEC CUBEという特徴的な多目的空間をはじめとした素晴らしいデザイン等によって、想像を超えた形で具現化されました。
プロポーザルまでの過程において、我々は施主様と互いのイメージを共有する為に、綿密な打合せに加えて参考となる建物群の同行視察などを通じて設計者選定のための資料を作成していきました。
新社屋建設のために特命で編成された建設事務局の皆さんの姿勢が常に前向きで、資料を一緒に作り上げていく楽しさや、新社屋に対する想いが設計者によってどのように具現化されるのかという期待感が高まっていったこともあり、コンペ開催や設計施工者の選定に苦労した記憶はありませんでしたね。

順調に推移していたプロジェクトの途中で未曽有の資材高騰という非常事態に襲われました。コンサルタントとして当時の受け止めはどうでしたか?

【宮西さん】
私たちもコンサルタントとして長年やってきましたが、コロナ、ウクライナ情勢等による物価高騰は想像を絶する初めての経験でした(今も継続しておりますが)。
建設業界全体が混乱し先行き不透明な中、様々な考え方は有ると認識していますが、当プロジェクトに於いては特に、建築主/建築コンサルタント/設計者/施工者の皆が一致団結して、プロジェクト成功の為にベストを尽くすしかないと思いました。
その中で、全ての関係者と対話し、ベストが何かを思考し提案し導くことが建築コンサルタントの仕事だと思い、ときにはその思いを声に出し、議論を重ねながら軸をブラすことなくプロジェクトマネジメントさせていただきました。

「QCD(品質・コスト・納期)」の観点から、施主として貴社によるCMの成果に感謝しています。本建設プロジェクトが上手くいった要因は何だったと考えますか?

【井上さん】
コンストラクションマネジメントは、設計者、施工者とは異なり、施主の立場で建設プロジェクトの品質・コスト・工程などを技術的にコントロール・サポートすることです。ソフトウェア業界でのPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)に近い役割と言えるかもしれません。建設事業の経験が少なく専門的な知識を持っていない方にも分かり易い表現に留意し、隔週の定例会を当初の計画通り運営出来たことが建設事務局の皆さんの安心につながったのであれば大変うれしく思います。
我々の成果というよりは、プロジェクトに対する前向きな姿勢と協力体制を一気通貫で崩されなかったオーイーシー建設事務局の皆さま、常に建築主や建築コンサルタントの言葉に耳を傾けて素早く的確な提案をしていただいた山下設計様、それらを謙虚な姿勢で受け止め厳しい経済情勢の中でも建築主に喜んでいただく事を第一義に打合せや施工に励んでいただいた梅林建設様、皆様ワンチームの‘ものづくり’の成果だと考えます。

最後になりますが、オーイーシーの社員の皆様に今後末永く愛される新社屋の建設プロジェクトに関与させていただいたことに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

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