万花彩
2024.3.7
未来の杜Play Fieldのアート作品紹介第4弾は、South Field 2階で展示している「万花彩(ばんかさい)」。
1階に展示している「ナイルの賜物」と同じく葉山有樹先生の作品です。
以下、作品紹介より。
大自然の木の実や花々の神秘的な色彩を、色絵磁器に写し取る事は、数百年来、陶絵師達の夢でした。清代の粉彩という西洋の七宝絵具に似たガラス絵具によって、その夢は叶えられましたが、伝統的な和絵具による色彩表現は、現代も勘と運に任せた難しい技術です。
万花彩は、永年にわたり書きためたスケッチを基に伝統の和絵具で大自然の美を表現した作品です。
工芸の世界は奥深く、到底全容を掴めるものではありませんが、現代社会が失いつつある職人の執念のようなものを大切にして新しい陶磁器の世界を開拓したいと願うようになり、一心に精密な美の世界を追求して早や38年が経過しました。
現代の多様な価値観に比べて、いにしえの工芸品に対する価値観は単純明快で、美は職人の技量と美意識と作品にそそがれた職人の労力によって明快に評価されたのです。
百年・千年を経た優れた工芸品から学んだのは、真の創造は深く伝統に根ざし、真の伝統は過去の繰り返しではなく新たな創造の中にあるということでした。
斬新な創造も、深く伝統に根をおろしていなければ一時の華で終わるでしょう。
季節の花に水をそそいでやるように、千年の華には心血をそそがねばなりません。
葉山先生のお言葉、とても深いですね。
先生はどれほどの鍛錬と経験を積まれたのでしょう。
「万花彩」も以前ご紹介しました「ナイルの賜物」のように、とても繊細かつ美しい作品です。
じっと見続けてしまいます。
参考リンク
ナイルの賜物 – オーイーシー